就職氷河期第一期生とは言うけれど

新卒採用で活動した頃は、1990年代半ばになります。当時、戦後最大の就職難とされ、今に続く不況下にありました、バブル崩壊から数年後のことであり、各企業が門戸を閉ざし始めた頃でもあります。しかし、そんな状況下でも、就職に成功した友人などがたくさんいました。

わたしは、と言えば、すでにお分かりになるかと思いましたが、完全に失敗した口です。なぜ失敗したかと言えば、活動開始が遅かったことが挙げられます。本格的に始めたのが四年の前期が終わる頃で、就職課に行ったら、小言を言われた記憶があります。また、地域を限定したことも確かです。今では、当たり前になっているかもしれませんが、Iターンの走りの時期で、多少なりとも親しんでいた母の故郷で働きたいと思いました。そこでなければ嫌だ、と思っていたため、自然と選択が狭まってしまったのは、当然でしょう。

さらに、情報収集も不十分だったことは確かです。時代が違うと言えば、それまでかもしれませんが、あの当時でも、大学を使ったり、あるいは、知人などを通せば、十分情報を集められました。それを怠っていたことは確かです。けれども、一社だけ最終面接まで行ったところがあります。母の故郷は、福島県になりますが、郡山市のある建設会社で、話をしながら、人事担当者が気に入ってくれたようで、そのまま会長面接まで行きました。そうは言っても、甘くはありませんでした。大丈夫だろうと、鼻高く、ほとんど活動を止めていたところ、今回はお見送りとなりました、と連絡がありました。

結局、新卒採用はならず、学生時代のアルバイトを続け、数年経って、派遣社員となり、IT関連の仕事につき、現在フリーで働いているところです。

以上、わたしの失敗談になりますが、仮に現在、もう一度活動できるのであれば、やはり、インターネットを駆使するでしょう。求人サイトでも、新卒採用を見つけることができます。あるいは、SNSであれば、直接企業担当者とコミュニケーションができます。SNSについては、批判もありますが、わたしのようなバブル崩壊後の就職氷河期一期生のような者にすれば、活用度の方が高いと思います。さらに、今であれば、思い込みを捨て、地域を広げながら、活動するでしょう。あまりにも、母の故郷への思いが強く、選択を狭めてしまったことは否めません。むしろ、今の方がIターンも浸透し、活動しやすい面があると思います。

なにより、就職活動自体を真剣にやることです。世の中を舐めていた、と言われれば、それまでかもしれませんが、就職活動からビジネスが始まっているんだ、という視点を決して忘れないで、現在であれば、活動することでしょう。こうは言いながらも、あくまで過程の話でもあります。後悔はありますが、後悔先に立たず、であり、自分のことについては、仕方ないか、と思っています。

けれども、新卒採用を目指しているのであれば、現在の便利なツールなどを有効活用すべきでしょう。ただし、わたしと反対に、あまりにも情報を広げすぎると、今度は情報に振り回されます。わたしの新卒採用時でも、就職案内のハガキが、大量に自宅に届きました。正直、どのように探し出せば良いのかわかりませんでした。ある程度、対象を絞りながらも、決して狭めることがないようにするのが、適切でしょう。そうして、何より、自分が就職し、何をし、何を求め、そうして、何に貢献できるのか、などをしっかり考えておくべきでしょう。思うに、就職とは自分のためばかりでなく、相手のためになることでもあります。ギブアンドテイクという言葉ありますが、就職もまさに、それが含まれているように思います。日頃から自分を見つめておくことも重要であり、周囲を観察することを忘れないことも、大事なことでしょう。