転勤族の妻として、数年おきに引っ越しを繰り返し、いくつかの派遣のお仕事に就きました。 結婚後から派遣社員として働き始めましたが、そんな私もアラフォーになってしまいました。 派遣社員歴10年になりますが、大した資格もなく、スキルもありません。
誇れることを強いて挙げれば、どんな仕事でもなんとか対応できる柔軟性とコミュニケーション好きなことくらいです。 今まで経験した仕事は、一般事務、営業事務、教務事務、旅行会社カウンター、コールセンターです。
大阪のど真ん中に引っ越した時に「アラフォーの私になんか仕事があるだろうか？」と心配しました。 大阪は大都会で、能力の高い女性が多いのも事実です。 「どんな仕事でも、働かせてもらえることに感謝しよう。」という気持ちで仕事を探しました。 仕事の探し方は、いつもインターネットの派遣サイトを利用しています。 その中で、条件を絞って検索します。 その時の私の条件は、時給と会社の立地でした。 職種は「事務」で探しました。 検索でみつけた会社は、自宅から自転車で15分の立地で、時給も十分なものでした。 大喜びで派遣会社とコンタクトを取りました。 偶然なのですが、すでに名古屋でお世話になった派遣会社だったので、スムーズにエントリーできました。 そこからは運よく、就業できるという運びになりました。 私のように、転勤族の妻の方は、大手派遣会社に数社登録しておくと、引っ越しで退職、新しい地で就職する時に便利です。 登録情報は全国で管理できるようで、連絡をするだけで住所移動していただけました。 他県ですでに就業していると、それだけで信用に繋がるので、お仕事が決まりやすいように思います。
私の希望条件と合致する職場がみつかり、大喜びでした。 でも、職場環境、仕事内容などは、実際に働いてみないとわからないものです。 小さな職場なので、人間関係で上手くいかなかった場合、厳しい毎日になると少し心配もしました。 ところが、幸運なことにその職場は私の10年の派遣人生の中で1番働きやすく、待遇が良かったのです。 会社が近所で自転車で通えるので通勤ラッシュ知らず、雨の日でも商店街のアーケードをくぐって行けば自転車でも通えました。 土日祝休み、9時5時、残業なし、主婦にとって非常に有難い勤務でした。 職場環境は、女性事務員は私1人、男性社員が3名だけです。 派遣先としては「しっかりした人」が希望ということで、私のようなアラフォー派遣社員を重宝してくれました。 仕事内容は、一般的な事務で特に難しいこともありませんでした。 逆に「単調な仕事に、こんなに良い時給を貰ってもいいのかな？」と疑問に思うくらいでした。 上司と同僚はとても優しく、安心して働くことができました。 飲み会などもありましたが、2年間で1円も払ったことがありません。
ずっと働いていたい職場でしたが、夫の転勤が決まり2年で退職しました。 決して仕事のできる事務員ではありませんでしたし、包容力のある事務員さんにもなれませんでした。 でも、最後の日に、素敵なことが沢山ありました。 同僚からは個人的に素敵なプレゼントをいただき、上司に美味しいディナーをご馳走になりました。 大きな花束もいただきました。 派遣社員でそこまでよくしてもらった経験がないので感動しました。 そして最後に、東京のトップの方から直に電話をいただきました。 「みんなをまとめてくれてありがとう、感謝している。」とのことでした。 私の仕事、役割はそういうことだったのだな、とその時思いました。 泣いてる男性社員を慰めたり、上司の愚痴を聞いたり。 なんのスキルもない私ですが、コミュニケーション好きの性格が役に立ったのだと思いました。 そして、派遣社員ではまれだと思いますが「餞別」でお金をいただきました。 とても驚きましたが、派遣先のお気持ちということで、有難く頂戴しました。 私にとって待遇が良かった職場は、私の能力を活かせる場所ともいえるのかもしれません。